「格安SIMに変えれば、スマホ代が安くなる」
確かに、現在の料金が高い人にとって格安SIMへの乗り換えは、毎月の固定費を下げる有力な方法です。
ただし、月額料金だけを見て乗り換え先を決めるのはおすすめしません。
料金は安くなっても、
- 昼休みに通信が遅くなった
- 思ったより料金が下がらなかった
- データ容量が足りなかった
- 今まで使っていたスマホが対応していなかった
- 店舗で相談できなくなった
- キャリアメールや留守番電話の条件が変わった
といったことは起こり得ます。
格安SIMへの乗り換えで大切なのは、一番安いサービスを探すことではなく、安くする代わりに何が変わるのかを先に理解することです。
この記事では、乗り換え前に確認しておきたいポイントを8つに絞って解説します。
先に結論をまとめると、確認するのは次の8項目です。
| 確認項目 | 特に見るところ |
|---|---|
| ① 本当に安くなるか | 月額ではなく年間総額 |
| ② 通信品質 | 昼・夕方・利用場所 |
| ③ データ容量 | 過去数カ月の実使用量 |
| ④ スマホの対応 | 動作確認・SIMロック |
| ⑤ 乗り換え手続き | MNP・SIM・eSIM |
| ⑥ 今のサービス | メール・留守電・割引 |
| ⑦ サポート | 店舗・電話・チャット |
| ⑧ キャンペーン | 終了後の通常料金 |
この8項目を確認して問題がなければ、格安SIMへの乗り換えで大きく後悔する可能性はかなり下げられます。
① 月額料金ではなく「年間で本当に安くなるか」を見る
格安SIMを比較するとき、最初に目に入るのは月額料金です。
例えば、
「月額1,000円台」
「半年間900円」
「基本料金○円」
といった料金は魅力的に見えます。
しかし、実際に払う金額は基本料金だけとは限りません。
確認したいのは、
- 初期費用
- SIMカード発行費用
- eSIM発行費用
- 通話オプション
- 留守番電話などのオプション
- 端末代
- キャンペーン終了後の料金
- 現在利用しているセット割の消失
などです。
例えば、今のスマホ料金が月5,000円で、乗り換え後が月2,000円なら、
毎月3,000円の削減
です。
1年間では、
3,000円 × 12カ月 = 36,000円
になります。
ここから初期費用などを差し引けば、実際の1年間の節約額を判断できます。
反対に、
月額は1,000円安くなるものの、通話オプションを追加すると差がほとんどなくなる
という場合もあります。
そのため、格安SIMでは、
「月額いくら?」ではなく「1年間で総額いくら?」
で比較するのがおすすめです。
② 「格安SIM=全部同じ速度」ではない
料金と並んで重要なのが通信品質です。
格安SIMを選ぶときによくある誤解が、
「ドコモ回線なら、どこを契約してもドコモと同じ」
という考え方です。
同じ回線網を利用していても、契約するサービスによって通信の仕組みや混雑時の状況は異なります。
特に注意したいのが、
平日の12時〜13時前後
など利用者が集中しやすい時間帯です。
普段は問題なく使えていても、昼休みになると通信速度が落ちるサービスがあります。
そのため、速度を確認するときは、
「最高速度○Gbps」
のようなスペックだけを見るのではなく、
自分がスマホを使う場所と時間帯
で考える必要があります。
例えば、
会社の昼休みにスマホをよく使う
QRコード決済を頻繁に使う
昼に動画を見る
仕事でもスマホ回線を使う
という人は、月額数百円の差より昼間の通信品質を重視した方が快適になることがあります。
反対に、自宅や職場にはWi-Fiがあり、昼間はほとんどスマホを使わないなら、通信速度の優先順位を下げて料金を重視する選び方も合理的です。
安い回線が悪いのではなく、自分の使い方に合うかが重要です。
格安SIMが昼に遅くなりやすい理由や、MNOとの違いについては詳しく別記事で解説しています。
③ データ容量は「おすすめ」ではなく自分の使用量で決める
格安SIMには、
3GB
10GB
20GB
25GB
30GB
など、さまざまな容量があります。
ここで注意したいのが、
「20GBがおすすめらしいから20GB」
と決めてしまうことです。
必要なデータ容量は、人によって違います。
20GBと30GBのどちらを選ぶべきか迷っている方は、20GBと30GBを使い方別に比較した記事も参考にしてください。
毎月8GBしか使わない人に30GBは多すぎる可能性があります。
一方、毎月19GB使う人が20GBを契約すると、旅行や出張などで少し使用量が増えただけで容量不足になります。
容量を決めるときは、契約中の通信会社のアプリやマイページを開いて、過去3カ月程度の実際の使用量を確認してください。
平均だけでなく、
一番多く使った月
を見るのがポイントです。
例えば、
12GB
13GB
15GB
なら20GBが有力候補です。
一方、
17GB
19GB
21GB
なら25〜30GB程度まで検討した方が安心です。
データ容量は「大きいほど得」でも「小さいほど節約」でもありません。
必要な容量だけ契約することが、通信費見直しの基本です。
④ 今のスマホが使えるか必ず確認する
「SIMを差し替えれば、どのスマホでも使える」
わけではありません。
乗り換え前には、利用予定の通信会社が公開している、
動作確認端末一覧
を確認しましょう。
同じiPhoneやGalaxyでも、モデル・販売元・対応周波数などによって状況が異なる場合があります。
特に注意したいのが、
- 少し古いスマートフォン
- 中古スマートフォン
- 海外モデル
- キャリアで以前購入した端末
です。
SIMロックも古い端末では確認
最近販売されたスマートフォンでは、SIMロックを意識する場面は以前より少なくなっています。
ただし、古い端末をそのまま使う場合は、SIMロックが残っていないか確認しておいた方が安全です。
ただし、
SIMロックが解除されている=必ず使える
という意味ではありません。
SIMロックと「その通信会社で動作確認されているか」は別の問題です。
したがって、
SIMロック確認
+
乗り換え先の動作確認端末一覧
の両方を見るのがおすすめです。
⑤ MNP・SIM・eSIMの手順を確認する
今使っている電話番号をそのまま引き継ぐ場合は、MNPを利用します。
以前は、
現在の通信会社でMNP予約番号を発行
↓
新しい通信会社へ申し込む
という流れが基本でした。
現在は、MNPワンストップに対応している通信会社同士でWebから乗り換える場合、事前にMNP予約番号を取得しなくても手続きできるケースが増えています。
そのため以前より乗り換えは簡単になっています。
ただし、
- 乗り換え元
- 乗り換え先
- Web申込みか店舗申込みか
などによって対応方法が違う場合があります。
申込み画面の案内を確認してください。
MNP予約番号を利用する従来方式では、有効期限にも注意が必要です。
SIMカードとeSIMはどちらを選ぶ?
乗り換え時には、
SIMカード
と
eSIM
を選べるサービスがあります。
SIMカードは物理的なカードをスマートフォンへ挿入します。
eSIMはスマートフォン内部に回線情報を登録するため、カードの到着を待たずに開通できる場合があります。
一方、eSIMでは、
対応端末か
設定方法を理解できるか
切替時にWi-Fiなど別の通信手段が必要か
などを確認しておいた方が安心です。
初めての乗り換えで設定に不安があるなら、必ずしもeSIMを選ぶ必要はありません。
「eSIMの方が新しいから優れている」
ではなく、自分が設定しやすい方を選ぶのが正解です。
⑥ キャリアメール・留守番電話・各種割引を確認する
大手キャリアから格安SIMへ乗り換える場合、
今まで当たり前に使えていたサービスが変わることがあります。
代表的なのが、
- キャリアメール
- 留守番電話
- 家族間通話
- キャリア決済
- 店舗サポート
- 端末保証
- 家族割
- 光回線とのセット割
などです。
キャリアメールは持ち運べる場合もある
以前は、
「乗り換えるとキャリアメールは使えなくなる」
という説明が一般的でした。
現在は、大手キャリアがメールアドレスを乗り換え後も継続利用できる有料サービスを提供しています。
そのため、
@docomo.ne.jp
@au.com
@softbank.ne.jp
などを使っている人は、
「必ず使えなくなる」
ではなく、
乗り換え後も必要なのか、持ち運びサービスを利用するのか
を判断してください。
長期的にはGmailなど通信会社に依存しないメールアドレスへ移行しておくと、次回以降の乗り換えは楽になります。
⑦ 店舗・電話サポートの違いを確認する
格安SIMでは、サポート方法も通信会社によって違います。
大手キャリアでは全国の店舗で相談できることが一般的ですが、格安SIMでは、
Web
チャット
電話
家電量販店
一部店舗
などが中心になるサービスもあります。
特に、
スマホの設定が苦手
SIM交換を自分でしたくない
初期設定を手伝ってほしい
トラブル時は対面で相談したい
という人は、月額料金だけでサービスを選ばない方がよいでしょう。
反対に、
オンライン申込みに抵抗がない
スマホ設定を自分でできる
分からないことはWebで調べられる
という人なら、店舗が少ないことは大きなデメリットにならない場合があります。
ここでも、
「店舗がない=悪い」ではありません。
安い料金の代わりにオンライン中心の運営を受け入れられるかどうかがポイントです。
⑧ キャンペーン価格ではなく「終了後の料金」を見る
格安SIMでは、
「最大6カ月○円」
「○カ月間割引」
「データ容量増量」
などのキャンペーンが頻繁に行われています。
キャンペーン自体は、条件が合えば非常にお得です。
ただし、その金額だけで契約を決めないようにしましょう。
必ず確認したいのが、
キャンペーン終了後の通常料金
です。
例えば半年間だけ安くても、その後料金が上がり、2年間使った場合の総額では別のサービスの方が安いことがあります。
比較するときは、
キャンペーン期間中
だけでなく、
1年間
さらに長く使うなら、
2年間
の総額も考えてみてください。
また、
- 適用条件
- 対象プラン
- MNPのみか新規契約も対象か
- オプション加入が必要か
- 終了後に自動で通常料金へ戻るか
なども確認します。
デジタル見直し帖では、期間限定価格より、通常料金でも納得して使えるかを重視して選ぶことをおすすめします。
「月額が一番安い格安SIM」を選ばない方がいい人
格安SIMを選ぶ目的はスマホ料金を下げることですが、全員が最安プランを選べばよいわけではありません。
特に次のような人は、料金以外の条件を重視した方がよいでしょう。
昼休みにスマホをかなり使う
昼の通信品質を優先します。
スマホを仕事でも使う
数百円の節約より通信の安定性やサポートを重視した方がよい場合があります。
店舗で相談したい
オンライン専用サービスだけに絞らない方が安心です。
通話が多い
基本料金だけでなく、かけ放題を含めた総額で比較します。
家族全員で乗り換える
家族割や光回線セット割がなくなる影響も計算しましょう。
毎月データ使用量が大きく変わる
容量追加料金や繰り越し、柔軟なプラン変更ができるかも重要です。
一番安いサービスより、自分の使い方で総額とストレスの両方を減らせるサービスを探す方が合理的です。
実際の料金や通信品質を比べたい方は、20〜30GBで安い格安SIM7社の比較記事をご覧ください。
格安SIMへ乗り換える前の8項目チェックリスト
申込みボタンを押す前に、最後に次の8項目を確認してください。
□ 1年間で本当に安くなる?
基本料金だけでなく、通話・初期費用・オプションまで含めて確認。
□ 昼や夕方の通信品質は許容できる?
自分がスマホを使う時間帯を基準に判断。
□ データ容量は自分の使用量に合っている?
過去3カ月程度の実使用量を確認。
□ 今のスマートフォンは対応している?
公式の動作確認端末一覧を確認。
□ MNP・SIM・eSIMの手順は分かっている?
MNPワンストップ対応も確認。
□ 今使っているサービスはなくならない?
メール・留守番電話・保証・セット割などを確認。
□ 困ったときのサポート方法で大丈夫?
店舗・電話・チャットなどを確認。
□ キャンペーン終了後の料金でも納得できる?
通常料金と長期総額を確認。
8項目すべて問題なければ、乗り換え準備はかなり整っています。
格安SIMへの乗り換え自体を怖がる必要はない
注意点をここまで読むと、
「格安SIMって面倒そう」
と思うかもしれません。
しかし、乗り換え手続き自体は以前より簡単になっています。
MNPワンストップに対応した通信会社では、Web上でMNP予約番号を事前に取得せずに手続きを進められる場合があります。
eSIM対応サービスなら、SIMカードの到着を待たずに開通できるケースもあります。
大切なのは、
格安SIMが危険だから注意する
ことではありません。
契約する前に、自分の使い方とサービス内容が一致しているか確認する
ことです。
それさえできれば、毎月のスマホ料金を大きく見直せる可能性があります。
まとめ|料金だけでなく「失うもの」を確認してから乗り換える
格安SIMへの乗り換えで確認したいポイントは8つです。
① 本当に安くなるか
② 通信品質
③ データ容量
④ 対応端末
⑤ MNP・SIM・eSIM
⑥ メール・オプション・割引
⑦ サポート
⑧ キャンペーン終了後の料金
格安SIMを比較すると、どうしても月額料金に目が行きます。
しかし、
月額300円安くても昼に使いにくい。
月額500円高くても、自分には必要な機能が全部入っている。
ということもあります。
だからこそ、
「一番安い格安SIMはどこ?」
から探し始めるのではなく、
「自分がスマホに何を求めているか?」
から考えることが重要です。
データ容量、通信品質、通話、サポート。
必要なものと不要なものを整理したうえで、自分に合うサービスを選びましょう。
安いプランへ乗り換えることがゴールではありません。
毎月の支払いを減らしながら、今まで必要だった使いやすさを残すこと。
それが、後悔しにくいスマホ料金の見直し方です。

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